私たちが日常生活の中でストレスや不安に出会ったとき、心を守るために「防衛機制」が働きます。
しかし、この仕組みは無意識で行われるため、気づかないうちに偏って使っていることもあります。
今回は、よく見られる防衛機制のパターンと、自分の傾向を知るための自己チェック方法を紹介します。
よく使われる防衛機制のパターン
ここでは日常生活で多く見られる代表的なパターンを紹介します。
1. 否認(ひにん)
現実のつらさを認めず、「そんなことはない」と思い込む。
例:体調不良でも「大丈夫」と言い続ける。
2. 投影(とうえい)
自分の中の感情を相手に押し付ける。
例:「あの人は私を嫌っている」と思うが、実は自分が相手を嫌っている。
3. 退行(たいこう)
ストレスに直面すると、子どものような行動に戻る。
例:怒られると泣きわめいたり、甘えたりする。
4. 知性化(ちせいか)
感情を感じず、理屈で処理する。
例:悲しいのに「死は自然なことだから仕方ない」と自分に言い聞かせる。
5. 昇華(しょうか)
受け入れにくい欲求を建設的な活動に変える。
例:怒りをスポーツや音楽にぶつける。
自己チェック方法
以下の質問に「はい」「いいえ」で答えてみましょう。
多く当てはまる項目が、あなたがよく使う防衛機制の傾向です。
否認タイプ
• 「まだ大丈夫」と思って、体調不良を放置することが多い
• 困ったことがあっても「そのうちなんとかなる」と考える
投影タイプ
• 「あの人は自分を嫌っている」と感じやすい
• トラブルの原因をいつも他人のせいにしてしまう
退行タイプ
• 強い不安やストレスで、甘えたり子どもっぽい態度になる
• 落ち込むと何もできなくなり、他人に頼りたくなる
知性化タイプ
• つらいときでも感情より理屈で整理してしまう
• 悲しみや怒りを「頭では理解しているけど心では感じにくい」と思う
昇華タイプ
• イライラや不安を運動や趣味で解消することが多い
• 気持ちを表現する活動(絵・音楽・文章など)が好き
チェックの活かし方
• 否認や投影が多い場合 → 問題を直視するステップが必要
• 退行が多い場合 → 自立心や自己対処力を育てる工夫を
• 知性化が多い場合 → 感情を「感じる練習」を意識してみる
• 昇華が多い場合 → ポジティブな防衛機制なので継続してOK!
まとめ
防衛機制は「心のクセ」のようなもの。
自分の傾向を知ることで、ストレスへの向き合い方が見えてきます。
チェックを通じて、
• 偏りすぎていないか?
• もっと活かせる形はないか?
を振り返ることが、心の健康につながります。
次回の記事では、「防衛機制を活かしたセルフケア実践法」を紹介します!