福祉現場では、介護職員が日々利用者の生活を支えています。
そこにPT(理学療法士)・OT(作業療法士)・ST(言語聴覚士)が加わり、専門的なリハビリ視点が組み合わさることで、より質の高い支援が実現します。今回は、その具体的な効果についてご紹介します。
1. 安全性の向上
介護職員は日常的な介助に長けていますが、PTは「身体の動き」、OTは「生活動作」、STは「飲み込みや言葉」の専門家です。
連携することで、介助時のリスクを減らし、安全な生活環境を整えることができます。
• PTと連携:正しい移乗・歩行介助の方法を学ぶことで、転倒や腰痛リスクを軽減。
• OTと連携:利用者が自分でできる動作を活かし、介助の過不足を防ぐ。
• STと連携:誤嚥を防ぐ食事介助や適切な声かけが可能に。
2. 自立支援の推進
介護職員の「援助する力」と、PT・OT・STの「機能を高める力」が合わさることで、利用者の自立度を引き上げることができます。
• ベッドからの起き上がりをPTが指導 → 介護職員が日常で継続支援
• 箸の持ち方をOTが工夫 → 介護職員が食事場面でフォロー
• 発声練習をSTが実施 → 介護職員が日常会話で取り入れる
専門的なリハビリが「日常生活の中で実践」されることで効果が長続きします。
3. 介護職員のスキル向上
リハビリ職から直接学ぶことで、介護職員自身の介助技術や知識が高まります。
• 移乗介助のコツを学び、腰痛予防になる
• 認知症の方への関わり方がより効果的になる
• 嚥下状態の観察ポイントを理解できる
結果として、介護職員の「専門性」も向上し、やりがいにもつながります。
4. 利用者・家族の安心感
「介護職員とリハビリ専門職がチームで支えてくれている」という安心感は、利用者や家族にとって大きな信頼につながります。
• 専門職の評価に基づいたケア → 家族の納得感
• チーム全体で情報共有 → 状態の変化に早期対応
5. チームケアによる相乗効果
介護とリハビリが連携することで、単独では実現しにくい「相乗効果」が生まれます。
• 生活の質(QOL)の向上:介護だけでもリハビリだけでもなく、両方の力で「その人らしい生活」を実現。
• 職員同士の負担軽減:互いに知識や方法を共有し、ケアの効率化につながる。
まとめ
PT・OT・STと介護職員が連携することで、
• 安全性の向上
• 利用者の自立支援
• 介護職員のスキルアップ
• 利用者・家族の安心感
が得られます。
介護とリハビリが一体となった「チームケア」は、福祉現場において欠かせない仕組みです。
今後も現場では、この連携を強化することが利用者の生活の質を高める鍵となるでしょう。
次回は「PT・OT・STに共通する“リハビリの基本的な考え方”」をテーマにした記事です!