PDCAサイクルとは、業務改善や目標達成のための基本的な考え方で、以下の4つのステップを繰り返して進める方法です。
1. P(Plan:計画)
目標を立て、達成に向けた計画を作成する。
2. D(Do:実行)
計画に基づいて実際に行動する。
3. C(Check:評価)
実行した結果を振り返り、計画通りに進んでいるか、目標に近づいているかを確認する。
4. A(Act:改善)
評価で見つかった課題や問題点を改善し、次の計画に反映させる。
この流れをぐるぐると繰り返すことで、業務や支援の質を継続的に高めていくことができます。
介護・福祉の現場におけるPDCA
介護や福祉の分野では、利用者さん一人ひとりの生活の質(QOL)を高めることが目標になります。そのために支援計画(ケアプランや個別支援計画)を立てるときにも、このPDCAサイクルが欠かせません。
1. Plan(計画)
• 利用者さんのニーズやアセスメント(心身の状態、生活歴、希望などの情報収集)に基づき、支援目標を設定。
• 例:「食事を自分でできるようにする」「外出の機会を増やす」
2. Do(実行)
• 職員が計画に沿って実際に支援を行う。
• 例:リハビリのサポート、食事介助の方法の工夫、外出支援の実施
3. Check(評価)
• 支援を続けた結果、利用者さんがどのくらい目標に近づけたかを振り返る。
• 例:「以前よりもスプーンを持つ時間が長くなった」「外出後の表情が明るくなった」
4. Act(改善)
• 評価の結果をもとに、支援方法や目標を修正。
• 例:「食事の自立度が上がってきたので、次はおかずの盛り付けにも挑戦する」
ビジネスと福祉に共通する視点
• ビジネスでは「売上・効率・品質の向上」を目的にPDCAが回されます。
• 福祉では「生活の質・自立支援・満足度の向上」を目的にPDCAが回されます。
つまり、対象や目的は違いますが、
“現状を分析 → 計画を立てる → 実行する → 振り返る → 改善する” という流れは同じです。
まとめ
PDCAサイクルはビジネスだけでなく、介護・福祉の世界でも支援計画の基本的な考え方として広く使われています。
• 計画(Plan):利用者のニーズを把握
• 実行(Do):支援の実施
• 評価(Check):結果の振り返り
• 改善(Act):次の支援につなげる
この繰り返しによって、利用者さんの生活をより豊かにしていくことができます。