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  • TEACCH(ティーチ)プログラムとは?自閉症の人を支える教育の工夫

    自閉症のある子どもや大人の支援方法のひとつに、世界的に知られている 「TEACCH(ティーチ)プログラム」 があります。

    名前だけ聞くとむずかしそうに感じますが、実は「安心して生活しやすくなる工夫」をまとめた方法です。

    この記事では、TEACCHプログラムの基本をわかりやすく紹介します。


    TEACCHプログラムってなに?

    TEACCHは、1970年代にアメリカで始まったプログラムで、

    自閉症の特性を変える」のではなく、その人に合わせて環境や関わり方を工夫することを目的としています。

    たとえば、

    • 「何を」「いつ」「どこで」やるのかをはっきり示す

    • 言葉だけでなく、写真や絵で伝える

    • 得意なことを伸ばし、苦手なことは工夫でサポートする

    といったシンプルな工夫を重ねていきます。


    どんな工夫をするの?

    1. 見通しをわかりやすくする

    自閉症のある人は、予定がはっきりしないと不安になりやすいことがあります。

    そこで、1日の流れを絵カードや表で示すと安心して行動できるようになります。

    2. 視覚的に伝える

    「言葉だけでは伝わりにくい」ことも、写真やイラストを使うと理解しやすい場合があります。

    例:片づける場所を写真でラベル表示しておく など。

    3. 個性に合わせる

    一人ひとり得意・不得意が違うため、マニュアル通りではなく、その人に合った形に工夫します。

    「無理に苦手を克服する」よりも「得意を伸ばす」発想が大切です。


    TEACCHで期待できる効果

    • 予定が見えて安心できる

    • 自分で活動を進められるようになる

    • 混乱やパニックが減る

    • 家や学校、福祉の場など、どこでも使える


    日本での取り入れ方

    日本でも、

    • 特別支援学校

    • 放課後等デイサービスや児童発達支援

    就労支援生活介護

    • 家庭での生活(宿題、片づけ、歯磨きの習慣づけなど)

    といったさまざまな場面で活用されています。


    まとめ

    TEACCHプログラムは、「わかりやすさ」を工夫することで生活を安定させ、自分らしく成長できるように支える方法です。

    専門的な道具がなくても、ちょっとしたアイデア(予定表、写真カード、部屋の使い分けなど)から始められるのも魅力です。

    もし身近に自閉症の特性をもつ方がいれば、TEACCHの考え方を参考にしてみると、毎日の生活が少しスムーズになるかもしれません。

  • 自閉症とは?理解と支援の第一歩

    自閉症とは

    自閉症(自閉スペクトラム症:ASD)は、発達の特性のひとつであり、 人とのコミュニケーションや社会的な関わり方、行動や興味の偏り に特徴が見られます。かつては「自閉症」「アスペルガー症候群」などと分けて呼ばれていましたが、現在は「自閉スペクトラム症」として幅広い特性を含む概念で理解されています。


    主な特徴

    自閉症の特性は人によって異なりますが、代表的には次のような傾向があります。

    対人関係の難しさ

    アイコンタクトが少ない、会話のキャッチボールが苦手など、相手の気持ちをくみ取ることに難しさがある場合があります。

    言葉やコミュニケーションの特性

    言葉が遅れて出てくる人もいれば、話すことはできても独特な表現や一方的な会話になりやすい人もいます。

    こだわりや興味の強さ

    特定の物や活動に強い関心を示し、繰り返し行うことがあります。生活の変化に強い不安を感じることもあります。

    感覚の特性

    音や光、においなどに敏感すぎたり、逆に感じにくかったりすることがあります。これを「感覚過敏」「感覚鈍麻」と呼びます。


    自閉症は「病気」ではない

    自閉症は病気ではなく、脳の発達の特性です。治すものではなく、その人が持つ特性を理解し、社会の中で生きやすくする工夫をしていくこと が大切です。

    例えば、視覚的にわかりやすい支援(予定を絵や写真で示す)、静かな環境を整える、本人の好きなことを強みに活かすなどが有効です。


    周囲にできること

    • 「困っている」のではなく「特性がある」ことを理解する

    • 無理に変えようとせず、環境を調整する

    • 本人の得意なことや好きなことを尊重する

    • 保護者や支援者が孤立しないよう、地域や専門機関とつながる


    まとめ

    自閉症は一人ひとり異なる特性を持ち、苦手なこともあれば、得意なこともあります。大切なのは、「できないこと」よりも「できること」に目を向け、その人らしく生きられる環境を整えること です。

    自閉症を正しく理解することは、誰もが安心して暮らせる社会づくりにつながります。

    次回は、自閉症の人を支える教育の工夫のTEACCH(ティーチ)プログラムについての記事となっています!

    (さらに…)