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  • チーム全体で取り組む職員の健康管理~福祉現場での安全・安心な支援のために~

    福祉の仕事は、心身ともに負担が大きい分野です。

    一人ひとりのセルフケアは大切ですが、「チーム全体で支える仕組み」 が整っているかどうかが、長期的な健康維持のカギとなります。

    ここでは、職員の健康管理をチーム全体で取り組むためのポイントを整理します。


    1. 健康管理を「組織の課題」として捉える

    • 職員の健康は「個人の責任」ではなく「組織の基盤」

    • 健康でなければ、質の高い支援も安全も守れない

    • 管理職やリーダーが「健康を守る文化」を発信することが大切


    2. 職場内でのチェック体制

    • 定期的な体調確認(朝のミーティングやシート記入)

    • 無理をしているサインを共有(残業の多さ・疲労の訴え・遅刻増加など)

    • 休む勇気を持てる雰囲気づくり(「休んでいいよ」と言えるチーム風土)


    3. 情報共有と支え合い

    • 健康に関する勉強会や研修の実施

    • セルフケアの工夫をチーム内でシェア

    • ストレスチェックの結果を職場改善につなげる


    4. 勤務環境の工夫

    • シフト調整を柔軟に行い、過重労働を防ぐ

    • 定期的に休暇を取れるように計画を立てる

    • 職場に「休憩の質」を高める工夫(仮眠スペース、リフレッシュコーナーなど)


    5. メンタルヘルス支援

    • 定期的なメンタルヘルス研修

    • 職場内での相談窓口やEAP(従業員支援プログラム)の活用

    • 「相談できる先輩・上司」を明確にしておく


    6. チームでできるアクション例

    • 「お疲れさま」「ありがとう」を伝える習慣

    • 月1回の「健康テーマミーティング」

    • 体調不良時は無理に出勤させず、代替支援の体制を整える

    • 健康に関するポスターや掲示物を共有スペースに貼る


    まとめ

    職員の健康は、利用者さんの安全・安心な生活と直結しています。

    「セルフケア+チームケア」 の両輪で取り組むことで、福祉現場全体の持続可能性が高まります。

    健康管理は一人で抱えるものではなく、「チーム全体の資産」 であることを意識しましょう。


    研修用ワークの例(おすすめ)

    記事を研修で使う際は、以下の問いを取り入れると実践的です。

    1. 「最近、職場で体調不良や疲労を抱えている人はいませんか?」

    2. 「自分ができる“チームの健康を守る一歩”は何ですか?」

    3. 「職場全体で改善できそうな工夫は何ですか?」

  • 福祉職員が自分の免疫力を守るためにできるセルフケア

    福祉現場では、日々多くの利用者さんと関わり、感染症リスクや体力的・精神的な負担を受けやすい環境にあります。

    そのため、職員自身が健康を守り、免疫力を維持することが、利用者さんへの安心・安全な支援につながります。

    ここでは、福祉職員が取り入れやすいセルフケアのポイントを紹介します。


    1. 基本の生活習慣を整える

    • バランスの良い食事

    • タンパク質(肉・魚・卵・豆類)、野菜、発酵食品を意識

    • 甘い物や加工食品の摂りすぎに注意

    • 十分な睡眠

    • シフト勤務でも規則正しい睡眠リズムを意識

    • 寝る前のスマホ・カフェインは控える


    2. ストレスをためすぎない

    • セルフモニタリング

    • 「最近疲れている」「イライラが増えた」など自分の心の変化を振り返る

    • リフレッシュ法を持つ

    • 軽い運動、趣味の時間、深呼吸、マインドフルネスなど

    • 職場内で相談しやすい環境づくり

    • チームで支え合い、ひとりで抱え込まない


    3. 適度な運動を取り入れる

    • 筋力トレーニング:体力維持と基礎代謝アップに効果的

    • 有酸素運動:ウォーキングや軽いジョギングで免疫細胞の働きを活性化

    • ストレッチ:肩こり・腰痛の予防にも


    4. 感染症予防の徹底

    • 手洗い・うがい・マスクの習慣化

    • 予防接種の積極的な利用(インフルエンザ・コロナワクチンなど)

    • 疲れているときこそ感染に注意


    5. 栄養と水分補給を意識する

    • 水分:こまめな水分補給(カフェインではなく水やお茶を中心に)

    • 栄養補助:サプリや栄養ドリンクに頼りすぎず、まずは日常の食事から


    6. 自己チェックを習慣にする

    • 体調日誌を簡単にメモ(睡眠時間・体調・気分など)

    • 免疫低下のサイン(疲れやすい・風邪をひきやすいなど)に早く気づく

    • 必要があれば 医療機関で早めに相談


    まとめ

    福祉職員が自分の健康を守ることは、決して「わがまま」ではありません。

    むしろ 利用者さんに安心して支援を届けるための土台 です。

    「休む勇気」「助けを求める勇気」も、セルフケアの一部として大切にしていきましょう。


    次回は「研修用資料」としても使える形で、チーム全体で取り組む職員の健康管理 をテーマに記事をまとめました。

    チーム全体で取り組む職員の健康管理~福祉現場での安全・安心な支援のために~

  • 福祉における権利擁護とは?

    福祉の現場では、障害のある人や高齢者をはじめとする支援を必要とする人々が、自分らしく安心して生活できるようにすることが大切です。そのために欠かせない考え方が「権利擁護」です。
    権利擁護とは、利用者一人ひとりの人権や尊厳を守り、不利益や差別から保護すると同時に、自らの意思で選び、決定することを支える取り組みを指します。


    なぜ権利擁護が必要なのか?

    支援が必要な人々は、ときに次のような困難に直面します。
    – 自分の意思を十分に伝えられない
    – 契約や財産管理で不利益を受ける可能性がある
    – 差別や偏見によって社会参加が妨げられる
    – 虐待や不当な扱いを受けるリスクがある

    こうした問題から守り、安心して生活できるようにすることが権利擁護の役割です。


    権利擁護の具体的な取り組み

    1. 自己決定の尊重
      利用者自身が「どうしたいか」を表明できるように支援し、その選択を尊重する。

    2. 代弁・意思表明の支援
      言葉で伝えにくい人に対して、コミュニケーションを補助する仕組みを整える。

    3. 虐待防止
      高齢者虐待防止法や障害者虐待防止法に基づき、虐待の早期発見と対応に努める。

    4. 成年後見制度の活用
      判断能力が十分でない人の財産や権利を守るために、法的支援を導入する。

    5. 苦情解決・相談支援
      利用者や家族の声を聞き、改善につなげる仕組みを整備する。


    まとめ

    権利擁護は「特別なこと」ではなく、日々の支援の中で当たり前に実践されるべき考え方です。利用者の意思を尊重し、尊厳を守ることが、よりよい福祉の実現につながります。
    私たち一人ひとりが「その人らしさ」を大切にし、声を聴く姿勢を持ち続けることが、権利擁護の第一歩です。

  • 仕事の三本柱「お金・やりがい・人間関係」とは?

    私たちが日々働く中で、「何のために働くのか」を考えると、必ずといっていいほど浮かんでくるのが お金・やりがい・人間関係 の3つです。これは「仕事の三本柱」とも言える存在であり、このバランスが整っているかどうかで、働きやすさや人生の満足度が大きく変わります。


    1. お金 ― 生活の基盤

    まず欠かせないのは「お金」です。仕事は収入を得る手段であり、生活を支えるために不可欠です。十分な収入が得られなければ、生活に不安が生じ、心の余裕を失ってしまいます。

    – 給与が安定していること
    – 労働に見合った報酬があること
    – 将来を見据えた昇給や保障があること

    これらが整うことで、安心して働き続けることができます。


    2. やりがい ― 成長と充実感

    お金だけでなく、仕事に「やりがい」を感じられるかも重要です。やりがいはモチベーションの源であり、仕事を「ただの作業」ではなく「自己成長の場」として感じさせてくれます。

    – 自分のスキルや知識を活かせる
    – 目標達成や成果が評価される
    – 社会や誰かの役に立っていると実感できる

    こうした経験は、自分の存在価値を高め、長期的に仕事を続ける力になります。


    3. 人間関係 ― 働きやすさの鍵

    最後に見逃せないのが「人間関係」です。たとえ給与が高く、やりがいのある仕事でも、職場の人間関係が悪ければストレスは大きくなり、心身をすり減らしてしまいます。

    – 上司や同僚との信頼関係
    – 困ったときに助け合える環境
    – 意見を言いやすい風通しの良さ

    職場の雰囲気が良ければ、困難も乗り越えやすくなり、安心して働くことができます。


    まとめ ― 三本柱のバランスを整える

    「お金」「やりがい」「人間関係」は、どれか一つだけが突出していても、長くは続きません。お金があってもやりがいがなければ虚しく、人間関係が悪ければ疲れてしまいます。大切なのは、この三本柱のバランスを見つめ直し、自分に合った働き方を選んでいくことです。

    あなたにとって「理想の三本柱」はどのような形でしょうか?ぜひ一度、立ち止まって考えてみてください。