自閉症とは
自閉症(自閉スペクトラム症:ASD)は、発達の特性のひとつであり、 人とのコミュニケーションや社会的な関わり方、行動や興味の偏り に特徴が見られます。かつては「自閉症」「アスペルガー症候群」などと分けて呼ばれていましたが、現在は「自閉スペクトラム症」として幅広い特性を含む概念で理解されています。
主な特徴
自閉症の特性は人によって異なりますが、代表的には次のような傾向があります。
• 対人関係の難しさ
アイコンタクトが少ない、会話のキャッチボールが苦手など、相手の気持ちをくみ取ることに難しさがある場合があります。
• 言葉やコミュニケーションの特性
言葉が遅れて出てくる人もいれば、話すことはできても独特な表現や一方的な会話になりやすい人もいます。
• こだわりや興味の強さ
特定の物や活動に強い関心を示し、繰り返し行うことがあります。生活の変化に強い不安を感じることもあります。
• 感覚の特性
音や光、においなどに敏感すぎたり、逆に感じにくかったりすることがあります。これを「感覚過敏」「感覚鈍麻」と呼びます。
自閉症は「病気」ではない
自閉症は病気ではなく、脳の発達の特性です。治すものではなく、その人が持つ特性を理解し、社会の中で生きやすくする工夫をしていくこと が大切です。
例えば、視覚的にわかりやすい支援(予定を絵や写真で示す)、静かな環境を整える、本人の好きなことを強みに活かすなどが有効です。
周囲にできること
• 「困っている」のではなく「特性がある」ことを理解する
• 無理に変えようとせず、環境を調整する
• 本人の得意なことや好きなことを尊重する
• 保護者や支援者が孤立しないよう、地域や専門機関とつながる
まとめ
自閉症は一人ひとり異なる特性を持ち、苦手なこともあれば、得意なこともあります。大切なのは、「できないこと」よりも「できること」に目を向け、その人らしく生きられる環境を整えること です。
自閉症を正しく理解することは、誰もが安心して暮らせる社会づくりにつながります。
次回は、自閉症の人を支える教育の工夫のTEACCH(ティーチ)プログラムについての記事となっています!