障害者福祉サービスのグループホーム(共同生活援助)とは?〜地域で自分らしく暮らすための住まいと支援をわかりやすく解説〜

はじめに

障害のある人が、地域の中で安心して暮らし続けるために欠かせないのが「住まいの支援」です。

その中心的な役割を担っているのが グループホーム(共同生活援助) であり、地域生活を支える仕組みとして全国的に整備が進んでいます。

近年は、単なる「生活の場」ではなく、

“その人らしさ”を尊重しながら自立を促し、社会とのつながりを育む居住支援

として注目が高まっています。

この記事では、初めての人にもわかるように、制度の仕組みから、支援内容種類メリット注意点利用までの流れホーム選びのポイントまで、幅広く丁寧に解説します。


グループホーム(共同生活援助)とは?

障害者総合支援法に基づき、障害のある人が地域の一般住宅で少人数の共同生活を行うための居住支援サービスです。

特徴まとめ

・少人数(概ね4〜10人程度)で暮らす

・スタッフによる日常生活の支援

・夜間の見守りや相談支援

・自立に向けた生活訓練の機能

・単身生活が難しい場合でも地域での暮らしを実現

“施設”ではなく、あくまで 住まいの一つの形 として提供される点が大きなポイントです。


支援内容

1. 日常生活のサポート

生活の基盤となるさまざまな場面をスタッフがサポートします。

・食事の準備、配膳、片付け

・掃除や洗濯など家事全般

・服薬管理

・金銭管理の助言

・ゴミ出し、買い物の同行

・生活リズムづくりの支援

できることは自分で、難しいところを支える」 という考え方が基本です。

過度な介入ではなく、自立につながる関わりが求められます。

2. 健康管理・体調の見守り

利用者の中には体調の変化を自分で伝えることが苦手な方もいます。

そのため、スタッフによる日々の観察と記録が非常に重要です。

・服薬の確認

・食事量、睡眠、表情の変化

・通院、受診の支援

・緊急時の対応(救急搬送・家族への連絡)

地域の医療機関との連携によって、“暮らしと医療” のバランスを整える役割も担っています。

3. 対人関係・相談支援

共同生活には楽しさもあれば、難しさもあります。

・他の利用者とのコミュニケーション調整

・トラブル発生時の仲介

・家族との連絡、調整

・将来の生活に関する相談

・日中活動(就労移行支援就労継続支援A型とB型生活介護)との連携

必要に応じて 相談支援専門員や医療、学校、就労支援機関 と密に連携し、生活全体を支えるネットワークづくりを行います。


種類

介護サービス包括型

ホーム内で生活支援・介護支援の大部分が行えるタイプ。スタッフが常駐しており、支援の量が多い方向け

外部サービス利用型

ホームに介護スタッフが常駐せず必要な介護は外部(居宅介護など)から提供される。比較的自立度が高い方に向いています。

サテライト型住居

一人暮らしの練習をしたい方向け。少し離れた個室住宅に住みつつ、近くの本体ホームが生活をサポート。

このように、多様なニーズに対応できる仕組みが整っていることが特徴です。


対象者

障害種別に制限はなく、以下のような方々が利用しています。

・知的障害

・精神障害(統合失調症、双極性障害など)

・身体障害

発達障害

また、

・一人暮らしは難しい

・実家での生活が続けにくい

・家族の高齢化

・日中活動と住まいの両面での安定が必要

・生活リズムの支援が必要

といった事情がある場合に利用が検討されます。


メリット

1. 地域で普通の生活が送れる

地域の住宅街での生活は、買い物、散歩、町内会など、自然と社会参加につながります。

2. 生活力が身につく

家事や金銭管理などの自立スキルを、日々の生活を通して身につけられます。

3. 安心して暮らせる

夜間を含む見守り体制があるため、一人暮らしの不安を大きく軽減できます。

4. 家族の負担を軽くする

家族による24時間の介護負担を分散し、“家族としての関係性” を維持しやすくなります。

5. 仲間ができる

共同生活を通して「相談できる相手ができた」「一緒にできることが増えた」という声も多く、一人では得られない安心感があります。


利用の流れ

相談支援専門員に相談

生活面の困りごとや希望を整理し、サービス利用の可否を検討。

サービス等利用計画の作成

本人の生活状況・必要な支援・将来像を整理した計画を作成。

市区町村へ申請

計画に基づいて利用申請を行い、

支給決定 → 受給者証 が発行されます。

ホームの見学・面談

ホームごとに生活の雰囲気やルールが大きく異なるため、必ず複数見学が推奨されます。

体験利用

数日〜1週間程度、実際の生活を試し「生活に合うか」を確認します。

契約・入居

利用契約を結び、生活がスタートします。


ホーム選びのポイント

生活のしやすさ

部屋の広さ、個室の有無、共有スペース、衛生面など。

スタッフの質

経験年数、利用者との距離感、雰囲気、コミュニケーションの取りやすさ。

利用者層

年齢・障害特性・生活スタイルなどの相性は長期生活に大きく影響します。

夜間支援体制

・常駐型

・宿直型

・巡回型

など、支援の安心度が大きく変わるポイントです。

料金体系

家賃・食費・水道光熱費・日用品費・自治体の補助の有無など。

日中活動との距離

通所先までの移動手段や負担も生活の安定に直結します。


費用

グループホームでは以下の費用が発生します。

利用者負担

・家賃(※家賃補助の対象になる場合あり)

・食費

・光熱水費

・日用品費

・サービス利用料(原則1割負担)

自治体による特定障害者特別給付費(家賃補助) は、家族の同居状況によっても変化します。


近年の動向

近年は以下のような新しい取り組みが増えています。

・全室個室化によるプライバシー確保

・ICTを活用した見守り支援(センサー等)

・地域交流イベントの導入

・生活訓練機能を強化したホーム

・若年層向け、高齢障害者向けホームの整備

「選べる住まい」「自分に合った暮らし」を実現できる環境が整いつつあります。


グループホームは“暮らしの継続”を支える場所

グループホームは、ただ住む場所ではなく、生活の安定と生きがいを育てる場所です。

誰もが地域の中で自然に暮らし、自分らしく生活できる社会を実現するために、グループホームの果たす役割は今後ますます大きくなっていくでしょう。


おわりに

障害のある人が地域で暮らし続けるためには、住まいの支援は欠かせません。

その中でもグループホームは、生活の基盤をつくり、安心と成長を支える重要なサービスです。

「一人では不安」

「家族だけの支援が難しい」

「地域で生活したい」

そんな思いに寄り添いながら、その人らしい生活を一緒に築いていくための仕組みとして、これからも多くの人の暮らしを支えていくことでしょう。