ようこそ、対人援助が学べるバーチャル道場「福祉道」へ!
ここでは、対人援助職と呼ばれる福祉の仕事に10年間携わっていた私の経験から得た支援の知識とノウハウを独自の視点を交えて分かりやすくお伝え出来ればと思っています。福祉をはじめ、子育てや教育、医療、そしてすべての人間関係に活かせる内容でもありますので、ぜひ習得してみてください!
※詳しい自己紹介はこちらの記事に書いていますので、合わせて読んで頂ければと思います。
まずは前回のおさらいからしたいと思います。福祉道の心得は以下の3つです。
※福祉道の心得の概要はこちらの記事にまとめていますので、合わせて読んで頂けたらと思います。
対人援助職とは
そして今回は、福祉道の心得の1つ目「対人援助職である」についてを詳しくお話しをしていきたいと思います。
対人援助職とは、福祉をはじめ医療や教育などの分野において人を支えている専門職のことです。具体的な仕事としては、介護士、社会福祉士、看護師、医師、保育士、教師、ソーシャルワーカー、カウンセラーなどが挙げられます。
また、社会基盤としてインフラという言葉がありますが、対人援助職は人間の生活を支えるインフラとも表現できます。
私が働いていた職場での研修では「福祉職は対人援助の専門職である」という言葉がよく出てきました。これは、介護福祉士や社会福祉士など何か特定の資格を持ってはじめて専門職となるというものではなく、一人の人間や物事に対して、看護師や歯科衛生士、医師、PT、OT、ST、そして利用者さんの家族など、様々な関係機関と連携(コミュニケーション)を図りながら、所感や見立てを挙げていくという姿勢が求められています。このような多角的な視点を持つことで、物事を立体的に捉え、洞察力(正確性)を高めていくことに繋がっていきます。
職種の例と特徴
◆ 職種の例
• 福祉:介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、ケースワーカー、ケアマネージャー、保育士など
• 医療:医師、看護師、臨床心理士、作業療法士、理学療法士など
• 教育:教員、スクールカウンセラーなど
◆ 特徴
• 相手の「困りごと」や「課題」を一緒に考え、解決に導く
• 専門知識(医学・心理学・福祉制度など)と実践力が必要
• 人間関係の構築が中心 →「信頼関係」が支援の基盤
• 感情労働(共感・気遣い・ストレス耐性)が大きな割合を占める
対人援助職とエッセンシャルワーカーの関係
対人援助職とエッセンシャルワーカーは同じものなのではないかと感じる方もいるかもしれません。共通している部分もありますが、その違いについて説明させて頂きます。
• 対人援助職の多く(医療・福祉・教育)は、同時にエッセンシャルワーカーでもある
• ただし「対人援助職」は「人を支援すること」を専門性とする職業群
• 「エッセンシャルワーカー」は「社会を維持するために必要な職業群」という社会的区分
つまりは…
• 「対人援助職」は 専門職としての性質 を強調
• 「エッセンシャルワーカー」は 社会における必要性 を強調
という違いがあります。
課題と展望
• 待遇の改善:社会的に重要視される一方、低賃金・人手不足が深刻
• メンタルケア:ストレス・燃え尽き症候群(バーンアウト)を防ぐ仕組みが必要
• 社会的評価の向上:単なる「支援者」ではなく、専門性を持つ職業として尊重されるべき
• AIの導入:単純業務は機械化し、人間ならではの「共感」や「関係構築」に集中できる環境整備が進むと期待
→これらの点に関しては、仕事の三本柱「お金・やりがい・人間関係とは?」の記事を合わせて読んで頂くと深められると思います。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
対人援助(エッセンシャルワーカーも含む)は社会にとってはなくてはならない仕事ではある反面、私自身仕事をしてきた中で、それに伴う課題もまだまだたくさんあるように感じています。それは、様々な現場の課題とも言われるように、スタッフが仕事を続けられるように精神衛生を保った環境を整えていくことが非常に大切であると考えています。
この点に関しては、制度の整備ももちろん必要だと考えていますが、スタッフ自身のメンタル面のコントロール(アンガーマネジメント)や育成、そして、チーム形成といったことへの取り組みもより一層必要だと考えています。
そのためには、多様な学びの機会を持ち、スタッフ一人ひとりの質を高めていく育成(教育)と合わせて、募集や採用、配置といった人事の在り方の見直しも時には必要になってくると思います。今後、記事を読んで頂きながら皆様とともに考えていけたら幸いです。
次回は福祉道の心得の2つ目「エッセンシャルワーカーである」について深掘ってお話ししていきます。それぞれの奥義を体得することで人間力が抜群に上がります。日常生活でも活かせますのでぜひお試しあれ!