就労継続支援A型・B型の違いや特徴を、雇用契約の有無・収入の仕組み・働き方のポイントをわかりやすく解説。初めての方でも制度の選び方が理解できます。
もくじ
はじめに

障害のある人が「働きたい」という気持ちを実現するための仕組みとして、非常に重要なのが 就労継続支援A型・B型 です。
どちらも障害者総合支援法に基づく福祉サービスですが、働き方・契約・求められる能力・収入などが大きく異なります。
A型・B型には、
・働く経験を積む
・社会とのつながりを持つ
・自分らしく生活リズムを整える
・一般就労(企業で働く)へのステップになる
といった多様な目的があります。
この記事では、A型とB型の違いを初めての人でも正しく理解できるよう、制度の背景から実際の働き方、利用の流れ、支援員の役割など、より深く理解できる内容として解説しています。
就労継続支援A型|雇用契約のある働き方と特徴・仕事内容・対象者
雇用契約を結んで働く“福祉的雇用”の仕組み

どんなもの?
A型は、事業所と利用者の間で 雇用契約を結ぶ ことが特徴です。
そのため、一般企業と同様に出勤・勤務・給与支払いのルールが適用され、最低賃金以上の給与が保障されます。
A型は「安定して働きたい」「決まった収入を得たい」という人にとって、福祉サービスの中でも特に“働くこと”に近い形の支援と言えます。
特徴
・事業所と雇用契約を結び 従業員扱い
・給与は最低賃金以上が必須
・定期的な出勤、勤務が求められ、遅刻や欠勤にも規定がある
・働く上での支援(業務の分解、サポート、理解のある環境)が得られる
・企業へのステップアップを見据えることも可能
・勤務時間の目安は1日4〜6時間が多い
・企業に近いが「福祉的雇用」として柔軟性もある
仕事内容
A型では「一般企業でも行われている作業」を担うことも多く、仕事の幅が広いのが特徴です。
・商品の検品、梱包、発送
・シール貼り、組み立て
・事務補助(データ入力、ファイリング)
・清掃、設備管理
・パン工房やカフェでの製造、販売
・農作業
・ECサイト運営の補助 など
対象となる人
次のような人がA型の利用を検討できます。
・雇用契約のもとで安定して働きたい
・一般就労を目指してステップアップしたい
・毎日ある程度の時間働ける
・通勤ができる
・作業スピードや集中力に一定の見通しがある
支援者のサポートはあるものの、企業に近い働き方が求められる点がポイントです。
就労継続支援B型|雇用契約なしで自分のペースで働ける仕事内容・特徴・対象者
雇用契約なしで、自分のペースで働く“柔らかい就労支援”

どんなもの?
B型は 雇用契約がない ため、出勤時間や作業量を利用者の体調や生活リズムに合わせて調整できます。
働くことに不安がある人や、体調の波が大きい人にとって、非常に利用しやすい仕組みです。
A型に比べて柔軟で、ゼロから「働く練習」ができるという点が強みです。
特徴
・雇用契約を結ばず、利用者として関わる
・支払われるのは給与ではなく 工賃(報酬)
・通所時間や作業量を柔軟に調整できる
・必ず毎日通所しなくてもよい
・業務の難易度がA型より低く、サポートも厚め
・生活リズムづくりや体力づくりの段階から利用できる
・人とのつながりを持つ場としても大切な役割がある
仕事内容
B型では、負担の少ない作業が中心です。
・手工芸品(アクセサリー・雑貨)の制作
・焼き菓子などの軽作業、包装
・再生資源の仕分け
・農作業(収穫・袋詰め)
・喫茶スペースでの簡単な接客
・パソコンを使った作業(簡単な入力・デザイン補助)
・施設内清掃 など
対象となる人
以下のような人に適しています。
・体調の波があり、安定した勤務が難しい
・A型や一般就労の前に、働く経験を積みたい
・生活リズムを整えるところから始めたい
・人間関係や作業自体に不安がある
・就労の第一歩を踏み出したい
“働くための土台づくり”として利用する方も多いです。
就労継続支援A型とB型の違い(比較一覧表で一目でわかるポイント整理)

就労継続支援A型・B型が生まれた背景|制度創設の目的と福祉就労の変遷

働く機会の不足を解消するために生まれた支援
障害者の就労は長年、
・働く場が少ない
・一般企業が障害への理解不足
・体調や能力に合った働き方が選べない
という課題がありました。
そのため、
「働く機会の保障」「社会参加の機会づくり」 を目的に、福祉サービスとしてA型・B型が整備されました。
働き方の多様性を支え、
・無理なく働く
・収入を得る
・自信を取り戻す
・将来の選択肢を広げる と
いう側面を持つことがA型・B型の大きな意義です。
就労継続支援A型・B型の利用の流れ|申請から利用開始までをわかりやすく解説

A型・B型の利用には、次のステップがあります。
① 相談支援専門員や自治体窓口で相談
働きたい思い・体調・生活状況などを整理します。
② サービス受給者証の申請
障害福祉サービス利用のために必要な手続きです。
③ 事業所の見学・体験
雰囲気・仕事内容・通所方法などを確認します。
④ 利用契約
A型は雇用契約、B型は利用契約を結びます。
⑤ サービス利用開始
個別支援計画に基づき、働く練習・勤務をスタートします。
就労継続支援A型・B型が果たす「働き方支援」の役割|多様な就労ニーズを支える制度の意義

より深く見ると、A型とB型は次のような社会的役割を持っています。
● 自己肯定感や自信を育てる
働けたという成功体験が、今後の生活にも良い影響を与える。
● 社会参加の機会を広げる
地域との関わり、仲間づくりにつながる。
● 生活リズムを整える
特にB型は「朝起きて通所する」こと自体が大きな支援。
● 一般就労への準備・橋渡し
A型は働くスキルを実践で学べる場として重要。
● 孤立防止にも役立つ
関わりが増えることで、生きづらさの軽減につながる。
就労継続支援A型とB型どちらが向いている?状態・希望別に見る判断ポイント

選択は能力の優劣ではなく、その人の状態にフィットするかどうか が重要です。
A型が向いている人
・決まった時間に働ける
・安定して通勤できる
・一般就労に近い働き方をしたい
・最低賃金以上の収入を得たい
B型が向いている人
・体調の波がある
・無理のない範囲で働きたい
・働く準備から始めたい
・人との関わりを増やしたい
家族・相談支援専門員・事業所スタッフと相談しながら、無理のない働き方を選ぶことが大切です。
おわりに

就労継続支援A型とB型は、障害のある人が「自分らしく働く」ことを支える大切な福祉サービスです。
A型:雇用契約があり最低賃金以上の給与。働く力を活かしたい人向け。
B型:雇用契約なし。体調やペースに合わせて働きたい人向け。
どちらが優れているということではなく、
その人に合った働き方を選ぶことが最も大切です。
働くことは、収入だけでなく、
・自信
・社会参加
・生活リズム
・生きがい
にもつながります。
A型・B型は、その一歩をやさしく支える仕組みです。
あわせて読みたい関連記事
・障害者就労移行支援とは? 一般企業で働きたい人の就職準備をサポートする支援をわかりやすく解説
・障害者雇用制度とは? 仕組み・目的・企業の取り組みをわかりやすく解説

