心技体の体について

はじめまして、赤嶺圭一朗です!

この度、対人援助を学べるブログ「福祉道」を開設しました。

私は沖縄県で生ま育ち、幼少の頃から自然豊かな土地で過ごしました。沖縄は自然豊かで人も温かい場所なのでぜひ行ってみて頂きたいです。

また、高校卒業後に上京し、大学在学中から重症心身障害児(者)と呼ばれる重度の知的障害および重度の肢体不自由が重複している状態にある方々の支援に約10年間携わっていました。成功体験から失敗体験まで、そこで得た支援の知識とノウハウを独自の視点を交えて分かりやすくお伝え出来ればと思います。

詳しい自己紹介はこちらの記事に書きましたので読んで頂ければと思います。

福祉道の心得は以下の3つです。

対人援助職である

エッセンシャルワーカーである

③ 心技体の備わった人間力が大切である

※福祉道の心得の概要はこちらの記事にまとめていますので合わせて読んで頂けたらと思います。

福祉道の心得の3つ目「心技体の備わった人間力が大切である」で言われるように、人間力を磨くには心技体を兼ね備えることが重要です。対人援助職であり、エッセンシャルワーカーでもある福祉の仕事においては、この心技体を整えた状態で臨んでいくことが求められます。

心技体とは

心技体とは心(精神力)、技(技術力)、体(体力)の3つの要素がバランスよく調和している状態を指す言葉です。特に武道やスポーツの世界でよく使われますが、ビジネスや日常生活においても、この3つの要素のバランスが重要であるとされています。

それぞれの要素について詳しくお話しをしていきます。

①心

精神力、意思、集中力、モチベーション、平常心など、精神的な強さや状態を表します

②技

技術、スキル、知識、経験など、具体的な行動やパフォーマンスの質に関わる要素を表します

③体

体力、身体能力、健康状態など、肉体的な要素を表します

これらの3要素がバランスよく発達している状態が、最高のパフォーマンスを発揮できる状態であると考えられています。例えば、武道においては、強い精神力(心)と高度な技術(技)を、鍛え抜かれた肉体(体)で支えることで、最大限の力を発揮できるとされます。

近年では、スポーツやビジネスの分野でも、「心技体」の考え方が重要視されており、それぞれの要素をバランスよく高めることが、目標達成や自己成長につながると考えられています。

これは福祉の領域、とりわけ対人援助においても同じだと私は考えます。


そしてここからが今回のテーマ、心技体の「体」についてお話しをしていきたいと思います。まず「体を知る」ということが大切です。生命活動をはじめ仕事や介助を行なっている自分自身の体、そして利用者の体を知るということが大切です。

体は骨、筋肉、内臓、皮膚などの器官や仕組みから成り、それぞれが連携して生命活動を維持しています。具体的には、脳からの命令で筋肉が関節を動かし、食べ物から取り入れた栄養と酸素でエネルギーを生み出し、心臓が全身に血液を送り出すといった複雑な機能を持っています。

体の構成要素

  • 成分:
    体は約60%が水分で、その他にタンパク質、脂質、ミネラルなどが含まれています。主要な元素は酸素、炭素、水素、窒素で、全体の95%を占めます。
  • 器官・仕組み:
    体は心臓、肺、胃などの「器官」や、骨や筋肉、神経、血管などの仕組みが集まってできています。
  • 外観:
    頭、首、胴体、両腕、両脚の「五体」に分けられ、それぞれが異なる役割を担っています。

体の機能

  • エネルギー生産:
    食事から摂った栄養分と呼吸で取り入れた酸素を使って、体内でエネルギーを作り出します。
  • 運動と活動:
    脳からの指令で筋肉が収縮し、関節を動かすことで手足が動き、運動することができます。
  • 体温調節:
    寒い時には筋肉の震えや血管の収縮によって熱を作り出し、体温を維持します。
  • 血液循環:
    心臓がポンプの役割を果たし、血液を全身に送り出すことで栄養や酸素を運び、二酸化炭素を回収します。
  • 感覚と保護:
    皮膚には外部からの刺激を感じ取るセンサーがあり、外部の刺激から体を保護する役割も担います。

体を維持するために

  • 食事::体に必要な栄養を摂取し、エネルギーを生産します。
  • 運動::筋肉を動かすことで骨が強くなり、全身の健康を維持します。
  • 睡眠・休養::体や脳を休ませ、生命活動を維持するために不可欠です

介護や医療の現場においては、体を知るために行うバイタルチェックが大切です。

バイタルチェック(バイタルサイン測定)とは、体温、脈拍、呼吸、血圧、意識レベルなどの生命の兆候(バイタルサイン)を測定し、健康状態を客観的に把握する検査です。全身状態の変化や異常のサインを早期に発見し、適切な処置につなげる目的で行われます。特に高齢者など体調変化が自覚しにくい方にとって、病気の早期発見・早期治療に繋がり、重症化を防ぐ上で重要です。

バイタルサインの主な項目

  • 体温(体温):最も一般的な測定項目です。
  • 脈拍(みゃくはく)::心臓の動きを測る指標です。
  • 呼吸(こきゅう)::呼吸の回数や深さを確認します。
  • 血圧::心臓が血液を送り出す圧力です。
  • 意識レベル::意識がはっきりしているか、ぼんやりしているかを確認します。
  • SpO2(血中酸素飽和度)::介護現場で測定されることもある項目で、血液中の酸素濃度を測ります。

バイタルチェックの目的と重要性

  • 健康状態の把握:
    客観的なデータをもとに、全身の健康状態を把握できます。
  • 異常の早期発見:
    測定値の変化を継続的に確認することで、体調の異変にいち早く気づくことができます。
  • 病気の早期発見と治療:
    異常が発見された場合は、速やかに医師に連絡し、適切な指示を仰ぐことで、病気の早期発見・早期治療に繋がります。
  • 介護・医療サービスの安全な提供:
    介護現場では、利用者様が安全に入浴や訓練などのサービスを受けられるかの判断材料となります。

実施される場面

  • 医療現場:
    病院では定期的に測定され、患者の状態変化の記録に利用されます。
  • 介護現場:
    高齢者の体調変化を早期に発見し、適切なケアを提供するために行われます。
  • 訪問看護:
    訪問介護の際に、利用者様の状態を確認し、医療との連携を図る上で重要な役割を果たします。

実施する際の注意点

  • 利用者様に触れて測定するため、機器の取り扱いや測定方法について理解し、安心してもらえるように説明しながら行いましょう。
  • 測定結果は記録し、変化があればかかりつけ医への連絡や指示を仰ぎます

いかがでしたでしょうか?

今回は心技体の「体」について、まず「体を知る」ということが大切だとお話ししてきました。利用者の体を知るということは、生命活動をはじめ仕事や介助を行なっている自分自身の体を知ることでもあります。

これらは利用者の安全安心を確保するために必要な知識ではありますが、その前に利用者のケアをする介助者がいなければなりません。介助者はなるべく負担を小さくし体を壊さないようにするといった工夫も大切です。

次回以降は利用者や介助者の体にまつわるお話しを小出しで出していきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました!